blenderにかかわるライセンスについて解説する

はじめに

Blenderにおける著作権表示は、「Blender本体」と「Blenderで扱う中身」を分けて考えることが重要である。Blender本体はGPLライセンスで提供されているが、通常の作品制作(画像・動画・3Dモデル)において、作品側にGPLの義務が及ぶことはなく、Blender名や著作権表示を行う必要はない。一方、アドオン、デモファイル、HDRI、テクスチャなどの外部素材は、それぞれ作者とライセンスが個別に定められており、その条件に従う必要がある。特にCC-BYやCC-BY-SAでは作者表記が必須であり、CC0のみが表記不要である。つまり「Blenderは自由に使える」が、「使う素材は自由とは限らない」という点を正しく理解し、配布・商用利用時は必ず各ライセンス表示を確認・遵守することが実務上重要である。

以下、 Blender における著作権表示の考え方を体系的にまとめます。


Blender そのものは GPL(GNU General Public License) で提供されているが、Blenderで作成・使用される「作品・アドオン・アセット・HDRI・デモファイル」などの著作権表示は、それぞれ個別のライセンスに従う必要がある。

つまり、

Blender = GPL
Blenderで扱う中身 = 各作者・各ライセンス

という切り分けが原則である。


1. Blender 本体の著作権表示

  • Blender 本体は GPL v2 以降
  • 再配布・改変は自由だが、
    • ソースコード公開義務
    • GPL 継承義務
      がある
  • 通常の作品制作(動画・画像・3Dモデル)には GPLの影響は及ばない

👉 作品に「Blenderを使った」と書く義務はない


2. Blenderで作成した「作品(画像・動画・モデル)」

  • 著作権は 制作者本人 に帰属
  • 商用・非商用は作者が自由に決定
  • 著作権表示例(任意) © 2025 Your Name Created with Blender

👉 Blender名の表記は不要(慣例的に書くことはある)


3. Blenderアドオンの著作権表示

(1) 公式アドオン

  • Blenderに同梱されるアドオンは GPL
  • 再配布・改変時は GPL 条件を満たす必要あり

(2) 個人・配布アドオン

  • 作者がライセンスを指定
    • GPL
    • MIT
    • Apache
    • CC-BY
    • 独自ライセンス など
  • README / ソース冒頭 / 配布ページの記載に従う

👉 GPLアドオンを改変・再配布する場合、ソース公開が必要


4. デモファイル・サンプル(例:Ripple Dreams)

  • Blender公式とは無関係な場合が多い
  • 作者とライセンスが明記される
    • CC-BY → 作者表記必須
    • CC-BY-SA → 派生物も同一ライセンス
    • CC0 → 表記不要

例:

CC-BY | Creator: James Redmond

👉 Blenderとは別に、作者クレジットが必須


5. HDRI・テクスチャ・外部アセット

  • よくあるケース:
    • Poly Haven(旧 HDRI Haven):CC0
    • Sketchfab:CC-BY / CC-BY-SA / 独自
  • CC0 → 表示不要
  • CC-BY → 作者名・出典明記必須

👉 「無料」=「クレジット不要」ではない


6. 実務的な整理(重要)

対象著作権表示は必要?備考
Blender本体不要GPLだが作品に影響なし
自作作品任意著作権は作者
公式アドオン再配布時必要GPL
個人アドオンライセンス次第要確認
CC-BY素材必須作者名・出典
CC0素材不要表示しても可

  • アドオンをバイナリ化して配布しても、GPLならソース公開義務は消えない
  • YouTube・Udemy・教材販売などでは、
    • デモファイル
    • HDRI
    • テクスチャ
      のライセンス違反が最も多い
  • 不明な場合は 「書いてあるライセンスをそのまま記載」 が最も安全
  • 法的解釈が必要なケース(商用配布・二次販売)は 専門家に確認が必要