はじめに
KJ Object Orbit Camera は、自分で作成した3Dモデルを、いろいろな角度から確認するために作成したBlender用Camera Orbit Add-onです。
3Dモデルを制作していると、完成したモデルを眺めるときだけでなく、制作途中にも、
「正面からは問題なさそうだが、後ろ側はどうなっているか」
「横から見ると部品の位置は合っているか」
「少し上から見ると全体のバランスはどう見えるか」
「モデルの周囲を一周して、形状の不自然なところがないか確認したい」
といった場面がよくあります。
そのたびにViewportを手動で回したり、Cameraの位置や向きを何度も設定し直したりするのではなく、確認したい3DモデルをTargetとして指定し、その周囲をCameraに自動で移動してもらうことを目的としてKJ Object Orbit Cameraを作成しました。
完成したモデルの鑑賞だけではなく、モデリング途中の出来具合や部品配置、全体のシルエットなどを様々な方向から確認する用途にも使用できます。
標準設定ではZ軸を中心としてCameraがTargetの周囲を360°回転します。まずはこの状態だけでも、モデルを正面・側面・背面など連続した角度から確認できます。
Cameraがモデルに近すぎる場合やモデル内部に入っている場合はDistanceを大きくし、少し上からモデルを確認したい場合はHeight Zを調整できます。
また、船・列車・建物などのように細長いモデルでは、単純な円軌道ではCameraとモデルとの距離が場所によって大きく変化することがあります。その場合は**Ellipse(楕円軌道)**を使い、モデルの縦横比に合わせてCamera Pathを調整できます。
Cameraの移動が速すぎる場合はAnimationのEnd Frameを大きくすることで、モデルの周囲をよりゆっくり移動させ、細部を確認しやすくできます。
さらにX・Y・Z各軸のRotationを個別にON/OFFできるため、水平に一周するだけでなく、必要に応じてより立体的な方向からモデルを見ることもできます。
KJ Object Orbit Cameraは、完成品を見せるためだけのCamera Animationツールではありません。
「自分が作っている3Dモデルを、少し離れた視点から、いろいろな角度で眺め直す」
ことを手軽にするためのAdd-onです。
モデリング途中のチェックから完成後の確認まで、3Dモデルを一方向だけではなく、周囲から連続して観察したいときに活用できます。
KJ Object Orbit Camera v0.0.2q 取扱説明書
Author:KenJin
対応Blender:Blender 5.1
Nメニュー:Camera Orbit
Version:v0.0.2q
Add-on License:GPL-3.0-or-later
目次
- KJ Object Orbit Cameraとは
- 対応環境
- インストール
- 基本的な使い方
- Target
- Camera
- Orbit Rigの基本構造
- Blender標準Constraintについて
- Cameraに追加されるConstraint
- Copy Location Constraint
- Track To Constraint
- ConstraintをBlender標準UIから確認する
- ConstraintのInfluence
- Constraintをユーザーが編集する場合
- OrbitPivotに追加されるConstraint
- Distance
- Height Z
- X / Y / Z Rotation
- X Rotation
- Y Rotation
- Z Rotation
- 複数軸Rotation
- CCW / CW
- Reverse Rotation
- Ellipse Orbit
- X Ellipse Orbit
- Y Ellipse Orbit
- Z Ellipse Orbit
- Ellipseの100%の意味
- EllipseのON / OFF
- X / Y Ellipseの実験的機能について
- Animation Mode
- Animation Start / End
- Start-End Differenceによる速度調整
- 再生中の速度変更
- Initialize / Sync Animation
- Animation Run
- Animation Stop
- Advanced Custom Speed
- Camera Clip End
- Viewport Clip End
- Camera View Frame Zoom
- Create / Update Orbit
- Remove Orbit Rig
- Blender標準Driverについて
- Rotation Driverを確認する方法
- ConstraintとDriverの役割の違い
- CameraがTargetを向かない場合
- Cameraが動かない場合
- 遠方Objectが見えない場合
- Rotation方向が逆の場合
- 回転速度を変更したい場合
- 円軌道へ戻したい場合
- 推奨する最初のテスト設定
- X / Y / Z RotationとEllipseのテスト方法
- 大規模Sceneでの使用
- Cameraの上下方向の角度について
- Blender標準機能を使用するメリット
- 使用上の注意
- 対応バージョン・Author
- ライセンス
- サポート・免責
- まとめ
1. KJ Object Orbit Cameraとは
KJ Object Orbit Cameraは、Blender上で指定したObjectをTargetとして、Cameraをその周囲に自動旋回させるCamera Work支援Add-onです。
建築物、城、街、乗り物、機械、商品モデルなどを中心として、Cameraを円形・楕円形・複数軸で動かすことができます。
v0.0.2qでは、主に次の機能を搭載しています。
- Targetを追尾するCamera
- Camera Distance調整
- Height Z調整
- X / Y / Z各軸の独立Rotation
- 各軸RotationのON / OFF
- 各軸のCCW / CW切替
- Reverse Rotation
- X / Y / Z各軸のEllipse
- 各EllipseのON / OFF
- Start / Endによる360° Seamless Animation
- Start-End Differenceによる速度調整
- Custom Speed
- Camera Clip End
- Viewport Clip End
- Camera View Frame Zoom
- Blender標準DriverによるAnimation
- Blender標準ConstraintによるCamera追尾
Cameraへ大量のAnimation Keyframeを直接作る方式ではなく、主としてBlenderのDriverとConstraintを利用してCamera Orbitを構成します。
2. 対応環境
KJ Object Orbit Camera v0.0.2qは、
Blender 5.1専用
として開発されています。
NメニューのTab名は、
Camera Orbit
です。
3. インストール
配布されたZIPファイルは、基本的に展開せず、そのままBlenderからインストールします。
Add-onを有効にすると、3D Viewport右側のNメニューに、
Camera Orbit
というTabが追加されます。
操作場所は、
3D Viewport → Nキー → Camera Orbit
です。
4. 基本的な使い方
基本操作は次の順番です。
- SceneにCameraを用意する
- Cameraが周囲を回るTarget Objectを指定する
- 使用するCameraを指定する
- Create / Update Orbitを実行する
- Distanceを調整する
- Height Zを調整する
- 使用するX / Y / Z Rotationを設定する
- 必要に応じてEllipseを使用する
- Scene Start / Endを設定する
- Initialize / Sync Animationを実行する
- Animation Runを実行する
初期設定では、
X Rotation:OFF
Y Rotation:OFF
Z Rotation:ON
となっています。
つまり、最初はX軸・Y軸を操作する必要はありません。
Z Rotationだけで基本的な水平360° Orbitを試すことができます。
最も簡単な使用例
TargetとCameraを指定して、
Create / Update Orbit
を実行します。
Rotationは初期設定の、
X OFF
Y OFF
Z ON
のまま使用します。
Cameraがモデル内部にある場合は、Distanceを大きくします。
少し上からモデルを見たい場合は、Height Zを大きくします。
その後、
Initialize / Sync Animation
を実行して、
Animation Run
で再生します。
これだけで基本的な360° Camera Orbitを確認できます。
5. Target
TargetはCamera Orbitの中心となるObjectです。
例えば、
- 建物
- 城
- 自動車
- 船
- ラジオ
- 家具
- 機械
- キャラクター
などを指定できます。
Target欄からObjectを指定するほか、対象Objectを選択して、
Set Selected as Target
を使用できます。
Targetの形状を変更した場合などには、
Refresh Target Center
を使用して中心位置を更新できます。
6. Camera
Orbitに使用するBlender Camera Objectを指定します。
Camera欄から使用するCameraを選択してください。
Create / Update Orbitを実行すると、必要なRig、Driver、Constraintが構成されます。
7. Orbit Rigの基本構造
KJ Object Orbit Cameraの基本構造は次のようになっています。
Target
↓
KJ_OOC_TargetAnchor
↓
KJ_OOC_OrbitPivot
↓
KJ_OOC_CameraPoint
Camera
├─ Copy Location → KJ_OOC_CameraPoint
└─ Track To → KJ_OOC_TargetAnchor
役割を簡単にすると、
TargetAnchor
→ Target中心を管理
OrbitPivot
→ X / Y / Z Rotationを作る
CameraPoint
→ Cameraの位置を作る
Camera
→ CameraPointへ追従しTargetを見る
となります。
8. Blender標準Constraintについて
KJ Object Orbit Cameraでは、Cameraの位置と向きを制御するためにBlender標準のConstraintを利用しています。
BlenderにはObjectやBoneのTransformを別の対象との関係で制御するConstraintが用意されており、Track ToなどのTracking ConstraintもBlender 5.1の標準機能として提供されています。
本Add-onで特に重要なのは、
Copy Location
と、
Track To
です。
Add-onのNメニューだけでなく、Blender標準のObject Constraintsから状態を確認できます。
9. Cameraに追加されるConstraint
Cameraを選択して、
Properties Editor → Object Constraints
を開くと、KJ Object Orbit Cameraが設定したConstraintを確認できます。
主な役割は、
Orbit Location
Track Target
です。
それぞれCameraの位置と向きを担当しています。
10. Copy Location Constraint
Copy LocationはCameraを、
KJ_OOC_CameraPoint
の位置へ追従させます。
動作は、
OrbitPivotが回転
↓
CameraPointが移動
↓
Copy Location
↓
Cameraが移動
となります。
Distance、Height Z、Rotation、Ellipseを調整するとCameraPointが移動し、その位置へCameraが追従します。
Blender標準UIで確認する方法
Cameraを選択して、
Properties Editor → Object Constraints
を開きます。
Copy LocationのTargetとして、
KJ_OOC_CameraPoint
が設定されていることを確認できます。
通常の使用では、このTargetを変更する必要はありません。
11. Track To Constraint
Track To ConstraintはCameraをTarget方向へ向けるために使用しています。
KJ Object Orbit Cameraでは基本的に、
Target = KJ_OOC_TargetAnchor
Track Axis = -Z
Up Axis = Y
という構成です。
そのためCameraがOrbitによって位置を変更しても、
Camera移動
↓
Track To
↓
Target方向へCameraが向く
という状態を維持できます。
12. ConstraintをBlender標準UIから確認する
Cameraを選択して、
Properties Editor → Object Constraints
を開きます。
役割は、
Copy Location
→ Camera位置をCameraPointへ追従
Track To
→ CameraをTarget方向へ向ける
です。
Add-on独自UIだけでなくBlender標準UIから状態を確認できるため、Cameraが想定どおり動かない場合の確認にも利用できます。
13. ConstraintのInfluence
Blender標準ConstraintにはInfluenceがあります。
通常、
Influence = 1.000
でConstraintが100%作用します。
KJ Object Orbit Cameraを通常使用する場合は、
1.000
のまま使用することを推奨します。
Influenceを変更するとCameraの追従状態が変化するため、意図せず変更した場合は1.000へ戻してください。
14. Constraintをユーザーが編集する場合
KJ Object Orbit Cameraが追加するConstraintはBlender標準Constraintなので、BlenderのProperties Editorから内容を確認・変更できます。
ただし、
- Target
- Track Axis
- Up Axis
- Copy Location Target
などを変更すると、KJ Object Orbit Cameraの標準動作とは異なる動作になります。
また、
Create / Update Orbit
を実行すると、Add-on側の設定で更新される場合があります。
通常使用では、Constraintの主要設定は変更せずに使用してください。
15. OrbitPivotに追加されるConstraint
OrbitPivot側にもTarget Centerへ追従するためのConstraintがあります。
概念的には、
Target
↓
TargetAnchor
↓
OrbitPivot
です。
そのため、Target Objectを移動した場合もOrbit中心がTargetへ追従する構造になっています。
16. Distance
DistanceはTargetとCameraとの基本距離です。
Distanceを大きくする
→ CameraがTargetから離れる
Distanceを小さくする
→ CameraがTargetへ近づく
現行版では最大10,000 mまで扱えるようにしています。
Cameraがモデル内部にある場合
モデルが大きいと、Create / Update Orbit直後のCameraがモデル内部に入っているように見える場合があります。
この場合は、
Distanceを大きくしてください。
例えば、
8 m
↓
20 m
↓
50 m
のように増やします。
大型の建物やSceneでは、
100 m
500 m
1,000 m
など、さらに大きな値が必要になる場合もあります。
モデル全体が見える位置までCameraを離してください。
17. Height Z
Height ZはCameraの基本的な高さを調整します。
Height Z = 0
→ Target中心付近
Height Z > 0
→ 高い位置
Height Z < 0
→ 低い位置
少し上からモデルを見たい場合
モデルを正面付近だけでなく、少し上から見下ろしたい場合はHeight Zを増やします。
例えば、
0 m
↓
2 m
↓
5 m
と調整します。
大きな建築物の場合には、
20 m
50 m
100 m
などが必要になることもあります。
基本的には、
DistanceでCameraとの距離を決め、Height Zで高さを決める
と考えると調整しやすくなります。
18. X / Y / Z Rotation
X / Y / Z Rotationはそれぞれ独立してON / OFFできます。
初期状態は、
X OFF
Y OFF
Z ON
です。
初めて使用する場合は、この標準設定から試してください。
各軸をONにすると、その軸のRotation Driverが有効になります。
OFFにすると、その軸のOrbit用Driverが切り離されます。
19. X Rotation
X軸を中心としてCamera Rigを回転させます。
主にYZ方向の立体的なCamera Movementを作ります。
X RotationではCameraPointの基本位置との関係により、Height Zが0に近い場合などにCameraの移動量が小さく見えることがあります。
まずZ Rotationで基本動作を確認した後に試すことを推奨します。
20. Y Rotation
Y軸を中心としてCamera Rigを回転させます。
主にXZ方向の立体的なCamera Movementを作ることができます。
Y Rotationだけを確認したい場合は、
X OFF
Y ON
Z OFF
として確認すると軌道を理解しやすくなります。
21. Z Rotation
Z Rotationは標準的なCamera Orbitです。
初期状態は、
X OFF
Y OFF
Z ON
です。
この設定でTargetの周囲を水平に旋回します。
初めてKJ Object Orbit Cameraを使用するときは、まずZ Rotationだけで確認することを推奨します。
Z Rotationを簡単に試す
- Targetを指定
- Cameraを指定
- Create / Update Orbit
- Distanceを調整
- 必要ならHeight Zを調整
- X OFF / Y OFF / Z ONを確認
- Initialize / Sync Animation
- Animation Run
これで基本的な360° Camera Orbitを確認できます。
22. 複数軸Rotation
X / Y / Zを複数同時にONにできます。
例えば、
X ON
Y ON
Z ON
とすることもできます。
ただし複数軸をONにすると、単純な水平円ではなく、複数のRotationが組み合わされた立体的なCamera Pathになります。
最初からすべてをONにせず、
Zだけ
↓
Yだけ
↓
Xだけ
のように各軸を個別に確認してから組み合わせると理解しやすくなります。
23. CCW / CW
各軸の回転方向を設定します。
CCW = Counterclockwise = 反時計回り
CW = Clockwise = 時計回り
です。
X / Y / Zそれぞれ独立して設定できます。
軸を見る方向によって画面上の時計回り・反時計回りの見え方が変化するため、実際のSceneを見ながら好みの方向を選択してください。
24. Reverse Rotation
各軸には、
Reverse X Rotation
Reverse Y Rotation
Reverse Z Rotation
があります。
現在のCCW / CWを反転できます。
例えば、
CCW
↓
Reverse Z Rotation
↓
CW
となります。
25. Ellipse Orbit
通常のOrbitは円ですが、Ellipseを使用すると、モデルの形状に合わせた楕円軌道へ変更できます。
特に、
- 船
- 列車
- 長い建物
- 横長の機械
- 細長い商品モデル
などに有効です。
細長いモデルでEllipseを使う理由
円軌道では、細長いモデルに対して、
長手方向
→ Cameraがモデルへ近づきすぎる
短手方向
→ Cameraが必要以上に離れる
という状態になる場合があります。
このような場合には、モデルの長手方向のRadius %を大きくしてCamera Pathを楕円へ変形します。
26. X Ellipse Orbit
X Rotation用Ellipseです。
X軸を中心とするため、
YZ平面
のRadiusを変更します。
設定は、
Y Radius %
Z Radius %
です。
v0.0.2qでは実験的機能として搭載しています。
27. Y Ellipse Orbit
Y Rotation用Ellipseです。
Y軸を中心とするため、
XZ平面
に作用します。
設定は、
X Radius %
Z Radius %
です。
Y Rotationと組み合わせて使用します。
28. Z Ellipse Orbit
Z Rotation用Ellipseです。
Z軸を中心とするため、
XY平面
に作用します。
例えばX方向へ長いモデルなら、
Z Rotation = ON
Z Ellipse = ON
X Radius = 150%
Y Radius = 100%
などから試します。
さらに細長いモデルなら、
X Radius = 200%
などへ広げることもできます。
横長モデルの例
標準設定:
X Radius = 100%
Y Radius = 100%
ではCameraがモデル端部へ近すぎる場合、
X Radius = 150%
Y Radius = 100%
へ変更します。
それでも近い場合は、
X Radius = 200%
などへ徐々に増やしてください。
29. Ellipseの100%の意味
100% / 100%
が基本となる円の比率です。
例えばZ Ellipseなら、
X Radius = 100%
Y Radius = 100%
で基本的な円と同じ比率になります。
X Radius = 150%
Y Radius = 100%
ならX方向の軌道を広げます。
X Radius = 100%
Y Radius = 70%
ならY方向を縮めます。
Distanceを基本サイズとして、Radius %で軌道形状を調整すると考えると分かりやすくなります。
30. EllipseのON / OFF
Ellipseは軸ごとにON / OFFできます。
例えば、
Z Rotation ON
Z Ellipse OFF
なら通常の円Orbitです。
Z Rotation ON
Z Ellipse ON
なら楕円Orbitになります。
EllipseをOFFにしてもRadius %の設定値は保持されます。
例えば、
Z Ellipse ON
X = 150%
Y = 70%
↓ OFF
通常の円Orbit
↓ ON
再び150% / 70%
という使い方ができます。
まず円OrbitでCamera位置を確認し、必要になったときだけEllipseをONにすると調整しやすくなります。
31. X / Y Ellipseの実験的機能について
Z Ellipseは基本的な楕円Orbitとして使用できます。
X / Y Ellipseについては、v0.0.2q時点では実験的な3次元軌道機能です。
複数軸Rotationと複数Ellipseを同時に使用すると、Camera Pathが複雑になる場合があります。
最初は、
1軸だけRotation ON
↓
同じ軸のEllipse ON
という順番で試してください。
32. Animation Mode
Animationでは主にSeamless Loopを使用します。
Scene StartからEndまでで360°になるようにRotationを制御します。
360° Camera Orbitを繰り返し確認したい場合に適しています。
33. Animation Start / End
例えば、
Start = 1
End = 600
なら、StartからEndまでを使って360°回転します。
ゆっくり回転・移動させたい場合
Cameraをもっとゆっくり動かしたい場合は、
Endを大きな値へ変更します。
例えば、
End = 600
↓
End = 900
↓
End = 1200
と増やします。
考え方は、
Endを大きくする
↓
360°に使用するFrame数が増える
↓
Cameraがゆっくり移動する
です。
例えばStartが1の場合、
Start 1 / End 600
より、
Start 1 / End 1200
の方が、1周により多くのFrameを使用するため、ゆっくりしたOrbitになります。
初心者の場合は、まずこの方法で速度を調整すると分かりやすくなります。
34. Start-End Differenceによる速度調整
Start-End Differenceでも同様に速度を変更できます。
Startが1の場合、
Difference = 599
→ End 600
Difference = 899
→ End 900
Difference = 1199
→ End 1200
となります。
値を大きくするほど、Cameraはゆっくり回ります。
値を小さくすると速くなります。
つまり、
Endを大きくする方法と同じ考え方
で使用できます。
35. 再生中の速度変更
Start-End Differenceを変更した場合は、End Frameも更新されます。
速度変更時には、Cameraが現在いるOrbit位置をできるだけ維持するようにFrame位置も調整します。
例えばAnimationの約50%地点で、
End 600
から、
End 900
相当へ変更した場合、Camera位置を大きく飛ばさず、新しいAnimation区間の約50%地点へ対応させることを目的としています。
36. Initialize / Sync Animation
Animation関連設定を同期するためのボタンです。
主に、
- Start / End確認
- 360°用速度計算
- Rotation Driver同期
- 現在設定の反映
- Preview Range整理
- Start Frameへの移動
などを行います。
特に、
Start / Endを変更した
Rotation軸を変更した
回転方向を変更した
場合などに使用してください。
37. Animation Run
Animation Runは再生開始用です。
実行すると、
Current Frame
↓
Scene Start
↓
Animation Play
となります。
Animation設定の同期は、
Initialize / Sync Animation
と分離されています。
38. Animation Stop
Animation Stopで再生を停止します。
停止しても、
- Orbit Rig
- Driver
- Distance
- Height Z
- Ellipse設定
などは維持されます。
設定を変更した後、そのまま再度Animationを実行できます。
39. Advanced Custom Speed
Use Custom SpeedをONにすると、角速度を直接指定できます。
ただしCustom Speedでは、End Frameで必ず360°になるとは限りません。
通常の360° Seamless Orbitでは、まずStart / End方式を使用することを推奨します。
特に初めて使用する場合は、
Endを大きくする=ゆっくりする
という方法が最も分かりやすくなります。
40. Camera Clip End
CameraをTargetから大きく離した場合、遠方Objectが表示されなくなることがあります。
その場合は、
Camera Clip End
を大きくしてください。
例えば、
1,000 m
↓
10,000 m
↓
100,000 m
と調整します。
特にDistanceを大きくした後に、
遠方の建物が消える
背景Objectが途中から見えない
Sceneの一部が表示されない
という場合は、Camera Clip Endを確認してください。
41. Viewport Clip End
Viewport Clip Endは、通常の3D Viewportでの遠方表示距離です。
使い分けは、
Camera Viewの遠方
→ Camera Clip End
通常Viewportの遠方
→ Viewport Clip End
です。
Camera OrbitでCameraから見える範囲を広げたい場合は、まずCamera Clip Endを確認してください。
42. Camera View Frame Zoom
Camera View Frame Zoomは、Camera View時の画面上でのCamera表示倍率を調整する補助機能です。
Cameraの、
- Lens
- FOV
- Orbit Distance
そのものを変更する機能ではありません。
Camera Viewを画面上で見やすくするために使用します。
43. Create / Update Orbit
TargetとCameraを指定した後、
Create / Update Orbit
を実行します。
初回は必要な、
- TargetAnchor
- OrbitPivot
- CameraPoint
- Driver
- Constraint
などを作成します。
既にOrbit Rigが存在する場合は、現在の設定に合わせて更新します。
44. Remove Orbit Rig
KJ Object Orbit Cameraが作成したOrbit用Rigを削除します。
通常のTarget ObjectやCameraを削除するための機能ではありません。
Orbitを作り直したい場合などに使用できます。
45. Blender標準Driverについて
KJ Object Orbit Cameraでは、Animation中のRotationなどにBlender標準Driverを利用しています。
Blender 5.1にはDriver設定・Driver Variables・Expressionなどを確認する標準Driver UIが用意されています。
KJ Object Orbit Cameraでは概念的に、
Scene Frame
↓
Driver
↓
OrbitPivot Rotation
↓
CameraPoint
↓
Camera
という流れでCameraを動かします。
Animation Keyframeを大量に作成せず、Scene Frameに応じてOrbitを計算できます。
46. Rotation Driverを確認する方法
Blender標準UIから確認する場合は、
KJ_OOC_OrbitPivot
を選択します。
ONになっているRotation軸のTransform値にはOrbit用Driverが設定されています。
例えば、
X OFF
Y OFF
Z ON
なら、基本的にはZ Rotation DriverがCamera Orbitを担当します。
XやYをONにすると、それぞれのRotation Driverが追加されます。
47. ConstraintとDriverの役割の違い
簡単にまとめると、
Driver
→ Camera軌道を作る
Copy Location
→ Cameraを軌道へ乗せる
Track To
→ CameraをTargetへ向ける
です。
全体では、
Scene Frame
↓
Driver
↓
OrbitPivot / CameraPointが動く
↓
Copy Location
↓
Cameraが移動
↓
Track To
↓
CameraがTargetを向く
という流れになります。
48. CameraがTargetを向かない場合
Cameraを選択して、
Properties Editor → Object Constraints
を確認してください。
特に、
- Copy Location
- Track To
が存在することを確認します。
Track ToのTargetが、
KJ_OOC_TargetAnchor
になっていることも確認してください。
必要に応じて、
Create / Update Orbit
を再実行してください。
49. Cameraが動かない場合
まず標準設定へ戻します。
X Rotation OFF
Y Rotation OFF
Z Rotation ON
次に、
- Targetが指定されている
- Cameraが指定されている
- Create / Update Orbitを実行した
- Z RotationがON
- Initialize / Sync Animationを実行した
- Animation Runを実行した
ことを確認してください。
この状態でZ Orbitが動けば、基本的なOrbit Rigは動作しています。
50. 遠方Objectが見えない場合
Distanceを大きくした後などに遠方Objectが消える場合は、
Camera Clip End
を大きくしてください。
例えば、
1,000 m
↓
10,000 m
↓
100,000 m
と段階的に増やします。
通常の3D Viewportだけで遠方が見えない場合はViewport Clip Endも確認します。
51. Rotation方向が逆の場合
CCW / CWを切り替えるか、
Reverse X Rotation
Reverse Y Rotation
Reverse Z Rotation
を使用してください。
現在の回転方向を反転できます。
52. 回転速度を変更したい場合
最も簡単な方法は、
Endを大きくすること
です。
例えば、
Start = 1
End = 600
を、
Start = 1
End = 1200
へ変更すると、同じ360°をより多くのFrameで回るため、Cameraはゆっくり移動します。
さらにゆっくりさせたい場合は、
End = 1800
など、さらに大きな値を使用できます。
反対にEndを小さくすると速くなります。
53. 円軌道へ戻したい場合
使用中のEllipseをOFFにしてください。
例えば、
Z Rotation ON
Z Ellipse OFF
なら通常のZ円Orbitになります。
EllipseをONのまま円の比率に戻したい場合は、
Radius = 100%
Radius = 100%
へ戻します。
54. 推奨する最初のテスト設定
初めて使用する場合は、次の設定を推奨します。
X Rotation OFF
Y Rotation OFF
Z Rotation ON
X Ellipse OFF
Y Ellipse OFF
Z Ellipse OFF
Step 1:TargetとCameraを指定する
TargetにCameraで見たいモデルを指定します。
使用するCameraも指定します。
Step 2:Create / Update Orbit
Create / Update Orbit
を実行します。
Step 3:Cameraがモデル内部ならDistance
Cameraがモデル内部にある場合は、
Distance
8 m
↓
20 m
↓
50 m
などへ増やします。
モデル全体が見えるまでCameraを離してください。
Step 4:少し上から見たいならHeight Z
Camera位置を少し高くしたい場合は、
Height Z
0 m
↓
2 m
↓
5 m
などへ変更します。
Step 5:RotationはZだけ
X OFF
Y OFF
Z ON
のままで構いません。
これが基本Orbitです。
Step 6:Animation設定
例えば、
Start = 1
End = 600
とします。
Initialize / Sync Animation
を実行します。
その後、
Animation Run
を押します。
Step 7:速すぎる場合
もっとゆっくり回したい場合は、
End 600
↓
End 900
↓
End 1200
と大きくします。
Step 8:モデルが細長い場合
船、列車、長い建物などでCameraとの距離が不自然になる場合は、
Z Ellipse
をONにします。
X方向へ長いモデルなら、
X Radius = 150%
Y Radius = 100%
などから試します。
この一連の操作だけで、KJ Object Orbit Cameraの基本機能を確認できます。
55. X / Y / Z RotationとEllipseのテスト方法
Z Rotationだけで基本動作を確認
最初は、
X OFF
Y OFF
Z ON
とします。
この状態でCameraがTarget周囲を正常に回ることを確認します。
Z Ellipseを確認
次に、
X OFF
Y OFF
Z ON
Z Ellipse ON
X Radius = 150%
Y Radius = 70%
などを試します。
Y Rotationを確認
X OFF
Y ON
Z OFF
としてY Rotation単独で確認します。
必要に応じてY EllipseをONにします。
X Rotationを確認
X ON
Y OFF
Z OFF
としてX Rotation単独で確認します。
X RotationはHeight Zの値によって動きが分かりやすくなる場合があります。
複合Rotationを確認
各軸を単独で確認した後、
X ON
Y ON
Z ON
などを試します。
複数軸を使用すると複雑な3D Camera Pathになります。
56. 大規模Sceneでの使用
城、Town、大型施設、Landscapeなどでは、
Distance
Height Z
Camera Clip End
を合わせて調整してください。
基本的には、
Cameraがモデル内部
→ Distanceを大きくする
少し上から見たい
→ Height Zを大きくする
遠方Objectが消える
→ Camera Clip Endを大きくする
と考えると分かりやすくなります。
例えば、
Distance 2,000 m
Height Z 200 m
Camera Clip End 100,000 m
など、Scene規模に応じた大きな値を使用できます。
57. Cameraの上下方向の角度について
v0.0.2qではCameraはTrack ToによってTarget方向を向きます。
そのため、Camera本体のRotationを直接変更して上下方向へ一定角度を付ける用途とは異なります。
ただし、
Camera位置を高くして上から見下ろしたい
場合にはHeight Zを使用できます。
Height Zを上げる
↓
Camera位置が高くなる
↓
Targetをより上側から見る
という調整ができます。
現行v0.0.2qには、独立したCamera Pitch Offset機能は搭載していません。
58. Blender標準機能を使用するメリット
KJ Object Orbit Cameraでは、Blender標準の、
- Driver
- Constraint
- Camera Clip End
- Viewport Clip End
- Scene Start / End
などを利用しています。
そのためAdd-onのUIだけでなく、
Camera
→ Object Constraints
OrbitPivot
→ Rotation / Driver
Scene
→ Start / End
Camera Data
→ Clip End
など、Blender標準UIからも状態を確認できます。
59. 使用上の注意
X / Y / Z Rotationを複数同時にONにするとCamera Pathは複雑になります。
また、X / Y Ellipseはv0.0.2qでは実験的機能です。
初めて使用する場合は、
X OFF
Y OFF
Z ON
という標準状態から開始してください。
重要な制作Sceneでは、操作前に.blendファイルを保存することを推奨します。
ユーザーがDriverやConstraintを直接変更した場合、Add-onの標準動作とは異なる結果になることがあります。
60. 対応バージョン・Author
製品名:KJ Object Orbit Camera
Version:v0.0.2q
対応Blender:Blender 5.1
Author:KenJin
Nメニュー:Camera Orbit
61. ライセンス
KJ Object Orbit CameraのPython Add-on本体は、
GNU General Public License v3.0 or later(GPL-3.0-or-later)
で提供されています。
Copyright (C) 2026 KenJin
Blender ExtensionsではAdd-onにGNU GPL v3.0 or laterが要求されており、本Add-onもGPL-3.0-or-laterを採用しています。
ライセンスの詳細については、本Add-onに付属するライセンス表示をご確認ください。
62. サポート・免責
本Add-onは、
Blender 5.1
を対象として開発・動作確認しています。
他のBlender Versionでは、Python API、Driver、Constraint、UI等の仕様差によって正常に動作しない場合があります。
また、次の条件によって動作が異なる場合があります。
- Scene構成
- ObjectのParent関係
- 他のAdd-on
- ユーザーが追加したConstraint
- ユーザーが追加・変更したDriver
- CameraやTargetの特殊な設定
重要な制作データで使用する場合は、事前に.blendファイルを保存・バックアップしてください。
不具合を確認する場合は、まず本取扱説明書の「Cameraが動かない場合」「CameraがTargetを向かない場合」「遠方Objectが見えない場合」を確認してください。
63. まとめ
KJ Object Orbit Cameraを初めて使用する場合は、
X Rotation OFF
Y Rotation OFF
Z Rotation ON
という標準設定から開始してください。
基本的な調整は次のように覚えると分かりやすくなります。
Cameraがモデル内部
→ Distanceを大きくする
少し上から見たい
→ Height Zを大きくする
ゆっくり回したい
→ Endを大きくする
細長いモデル
→ Ellipseで長手方向のRadiusを大きくする
遠方Objectが消える
→ Camera Clip Endを大きくする
最も簡単な流れは、
Targetを指定
↓
Cameraを指定
↓
Create / Update Orbit
↓
Distanceを調整
↓
Height Zを調整
↓
X OFF / Y OFF / Z ON
↓
Start / Endを設定
↓
Initialize / Sync Animation
↓
Animation Run
です。
標準の円OrbitでCamera位置を決めた後、モデルが細長い場合にはEllipseを追加します。
例えばX方向へ長いモデルなら、
Z Ellipse ON
X Radius = 150%
Y Radius = 100%
などから試します。
Cameraをゆっくり見せたい場合は、
End = 600
から、
End = 900
または、
End = 1200
へ増やします。
慣れてきたら、
- X Rotation
- Y Rotation
- 各軸Ellipse
- CCW / CW
- Reverse Rotation
- Custom Speed
などを組み合わせることで、より立体的なCamera Movementを試すことができます。
また、KJ Object Orbit CameraはBlender標準のDriverとConstraintを利用しています。
役割を簡単にまとめると、
Driver
→ Camera軌道を作る
Copy Location
→ Cameraを軌道へ乗せる
Track To
→ CameraをTargetへ向ける
となります。
Add-onのNメニューだけでなくBlender標準UIからもRigの状態を確認できるため、各機能を一つずつ試しながらCamera Orbitを調整してください。

