【概説】
Smooth Vertices は、選択した頂点配置を平均化することで滑らかにする有効なツールだが、繰り返し適用すると体積(太さ・サイズ)が失われるという重要な副作用がある。用途と範囲を意識して使うことが必須である。
Smooth Vertices(頂点のスムーズ)
**Smooth Vertices(スムーズ)**は、3Dオブジェクトのメッシュ編集において、選択した Vertex(頂点)の位置を平均化し、表面を滑らかに整えるためのツールである。
主に、造形時に生じた凹凸やノイズを緩和したい場合に使用される。
Smooth Vertices は、一度の処理で強い効果を出すツールではなく、
複数回適用することで、徐々に目的とする滑らかさに近づけていく性質を持つ。
① 操作手順(基本)
Smooth Vertices は 編集モード(Edit Mode) で使用する。
- Vertex モード(
<1>キー)に切り替える - 滑らかにしたい Vertex を選択する
Vertex > Smooth Verticesを実行する- 必要に応じて 複数回処理を繰り返す
処理は即時確定型であり、Loop Cut や Knife のような事前プレビューは存在しないため、
少しずつ適用し、結果を確認しながら進めることが重要である。
② 制約・注意点(重要)
Smooth Vertices を使用する際の最大の注意点は、
処理を繰り返すほど、メッシュ全体が収縮する傾向があることである。
これは、Smooth 処理が頂点同士の位置を平均化するアルゴリズムに基づいているためであり、結果として 体積(ボリューム)が失われる。
例えば、
- 手全体の Vertex を選択して Smooth を数回適用すると
表面は滑らかになるが、
指が細くなり、意図しない造形変化が生じる
といった問題が起こりやすい。
そのため Smooth Vertices は、
「形を整える」ツールであって、「形を保つ」ツールではない
という点を明確に理解して使う必要がある。
③ 実務的な使いどころ
Smooth Vertices は、以下のような用途に向いている。
- スカルプト後や編集途中に生じた
局所的な凹凸ノイズの軽減 - リトポロジー後のメッシュに対する
微調整レベルの表面整理 - ハードな角を残す必要のない部位
(頬・額・腹部など)の補助的な整形
一方で、以下の用途には不向きである。
- 指・腕・脚など、太さを維持したい部位
- 正確な寸法やシルエットが重要なモデル
- Subdivision 前提で、エッジ位置が形状制御に直結する場合
このようなケースでは、Loop Cut によるエッジ追加や、スカルプトモードでの Grab/Smooth ブラシ併用の方が適している。
補足:Loop Cut との役割の違い
- Smooth Vertices
- 既存頂点を移動させて「均す」処理
- ボリュームは減少しやすい
- Loop Cut
- 新しい Edge/Vertex を追加して「形を制御」する処理
- ボリュームを保ったまま調整可能
両者は目的が異なるため、Smooth で無理に整えようとせず、Loop Cut で構造を補うという使い分けが重要である。
【注意点・例外】
- Smooth Vertices は Undo を前提に少しずつ使う
- 広範囲選択よりも 局所選択が安全
- 必要に応じて マスク的に選択範囲を制限する
【出典】
- Blender 公式マニュアル
Smooth Vertices
https://docs.blender.org/manual/en/latest/modeling/meshes/editing/vertex/smooth_vertices.html
