はじめに

このサイトでの解説では,できるだけオリジナルの用語を使用している.
さて,今回は,物理演算の機能である「Physics」について解説します.物理演算なので,その現象を確認(見る)にはAnimationを実行する必要があります.
Physicsは,Properties画面にあります.Physicsには,表に示したように物理現象をシミュレーションする8つの種類があります.
例えば,アニメのキャラクターデザインのケースとして髪と人体とのシミュレーションを例示すると,Soft BodyやClothを髪のブロックに設定し,更にCollisionは,髪が接触する人体(肩や腕・・・)に設定してやれば,髪は人体の中に入り込まないようにできます.これは,Animation画面で確認することになります.
🔬 Blender 物理演算項目の解説
| 項目名 | 日本語名 | 特徴・用途 |
| Force Field | フォースフィールド | オブジェクト(パーティクル、クロス、ソフトボディ、リジッドボディなど)に外力(重力、風、渦、磁力など)を与えるために使用されます。旗を風になびかせたり、爆発で破片を吹き飛ばしたりする表現に使われます。 |
| Collision | コリジョン | オブジェクトに衝突判定を設定します。クロス(布)、ソフトボディ(軟体)、パーティクル、および流体などのシミュレーションにおいて、他のオブジェクトとぶつかり合って変形したり動きが止まったりするようにするために必要です。床や壁などの「動かない障害物」に設定することが多いです。 |
| Cloth | クロス | 布や紙などの柔軟な物体の動きをシミュレーションします。旗が風になびく様子や、キャラクターの服、カーテンなどの表現に使われます。重力や風、他のオブジェクトとの衝突(Collisionを設定したオブジェクト)の影響を受けます。 |
| Dynamic Paint | ダイナミックペイント | オブジェクトにリアルタイムで波や凹凸といった変位、または塗料を塗られたようなペイントやウェイト情報を作成できる機能です。ブラシオブジェクトとキャンバスオブジェクトを設定し、ブラシがキャンバスに触れたり、上を通過したりすることで効果が生まれます。水面に波紋を立てたり、雨粒の軌跡を表現したりするのに使われます。 |
| Soft Body | ソフトボディ | ゼリー、ゴム、果物などの柔らかい素材の挙動をシミュレーションします。重力や衝突などで形状が大きく変形する動きを表現できます。 |
| Fluid | 流体 | 水、液体、煙、火、ガスなどの流体の動きをシミュレーションします。水が流れたり、渦を巻いたり、煙が立ち上ったりするリアルな表現を作成できます。 |
| Rigid Body | リジッドボディ | 変形しない、固い物体(剛体)の動きをシミュレーションします。重力、衝突、摩擦などの影響を受け、ボールが転がったり、ドミノが倒れたり、物が崩壊したりする動きを再現できます。動く物体にはアクティブ、地面や壁など動かない物体にはパッシブを設定します。blender demoはここ |
| Rigid Body Constraint | リジッドボディコンストレイント | 複数のリジッドボディオブジェクトを**ジョイント(継ぎ手)**でつなぎ、ヒンジ(蝶番)、ピストン、モーターなどの関係を持たせる機能です。ドアやロボットアームの動き、振り子のようなシミュレーションに使われます。 |
💇 髪の毛のシミュレーションに使う機能
1. パーティクルシステム(Particle System)
Blenderで髪の毛を作るための主要な機能です。
- 機能: パーティクルシステム内の「ヘアー」タイプを使用して、オブジェクトの表面から非常に多くの曲線(ストランド)を生成します。
- 用途: 静的な髪の毛や、風、重力などの影響を受け自動的に動くシミュレーションされた髪の毛を作成できます。カット、コーミング、テクスチャリングなど、髪の見た目とスタイリングの大部分を制御できます。
- シミュレーション: 髪の毛一本一本の動き(ダイナミクス)を計算するために、パーティクル設定内の「ヘアーダイナミクス」を有効にします。
2. クロス(Cloth)
パーティクルシステムと組み合わせて、またはよりリアルな動きが求められる特定の状況で使用されます。
- 機能: 髪の毛をメッシュとして作成し、そのメッシュ全体に**クロス(布)**の物理演算を設定します。
- 用途: 特にロングヘアや大きな束の髪で、髪の塊全体の重みや揺れ、他のオブジェクトとの衝突を、布のような挙動としてシミュレートしたい場合に有効です。
- 組み合わせ: パーティクルシステムの「ヘアー」はレンダリング用の見た目を作り、クロスシミュレーションが設定された目に見えないメッシュがそのガイドとして動き、髪の動きを制御することもあります。
3. フォースフィールド(Force Field)
上記のシミュレーションに外的な力を加えるために使われます。
- 機能: 風(Wind)、渦(Vortex)、重力(Gravity)などの力をシーンに配置します。
- 用途: 風で髪の毛がなびく様子や、水中でのふわふわとした動きなど、環境による影響を髪の毛のシミュレーションに加えるために使用します。
したがって、リストアップされた項目の中では、直接的に髪の毛の動きのシミュレーションに使われるのはクロス (Cloth) の物理演算ですが、Blenderで髪の毛を作る際にはパーティクルシステムが主役となります。

コメントを残す